衛星測位システム
空間情報研究室では、米国のGPSをはじめ、日本のQZSS(準天頂衛星システム)、欧州のGalileoなどを研究対象としています。
都市部での衛星測位の更なる活用を目指し、新宿などのマルチパス環境下での走行実験を行い、精度向上のための手法の検討・提案をしています。
また、準天頂衛星システムの測位補強サービスを題材に、精度検証や性能評価を行っています。
さらに、衛星測位の誤差要因であるマルチパスの影響を受ける電波を検知し、除去する研究も行っています。

新宿での走行実験

計測中の車内
3次元レーザースキャナ
3次元レーザースキャナはレーザーを使って建物や樹木などの地物の表面の形状を測る装置であり、
周辺の地形を短時間に膨大な量の点群として測ることができます。
この装置を使って船橋キャンパスの3次元可視化モデルを作成しました。
また、点群データを使って任意の場所での天空障害物図を作成し、
測位衛星の可視・不可視を表現するシステムを研究しています。

レーザースキャナによる計測結果
モバイルマッピングシステム(MMS)
モバイルマッピングシステム(Mobile Mapping System)とは車両で道路を走行しながら、
道路舗装面や標識などの道路付帯物、沿道の建物などの形状を測定して地図や3次元モデルを作成するシステムです。
車両にはGPS、IMU(慣性航法装置)を装着して位置と方向を正確に測定すると同時に、
デジタルビデオカメラや3次元レーザースキャナを搭載して道路面と沿道の地物を計測してデータ化します。
学内の交通総合試験路などを利用して走行速度やGPS衛星の観測条件が道路面の形状測定精度に与える影響の研究などを行っています。
また、道路の白線を抽出し道路線形を推定するなどの応用を研究しています。

MMSによる計測結果

MMS車両
距離画像センサ
距離画像センサとは画像内に写る対象物までの距離を画素毎にリアルタイムに計測する装置です。
測定原理はTOF(Time-of-Flight)方式を用いており、距離画像センサの投光LEDから照射した照射光が対象物に反射して、
CCDカメラに戻る時間までを計算し、対象物までの距離データと、反射の強さを示す反射強度データを出力します。
距離画像センサを用いて道路の交通流(台数、速度、車種)を測定するシステムの開発を行っています。
本装置によれば、交通規制が不要となり、1台で2車線道路を計測する可能性があるため、交通流観測実験を通して、実用化に向けた研究を行っています。

距離画像センサを用いた実験
フォトグラメトリ
フォトグラメトリとは対象物を複数の角度から撮影し、組み合わせることで高密度な3次元点群データを生成する技術です。
レーザスキャナに比べて安価な機器を用いた計測で三次元点群データを取得することができます。
通常のカメラだけでなくUAVを用いた計測や、この技術を用いた屋内空間の地図作成についての研究を行っています。

UAVによる計測の様子

UAVにて撮影した画像から生成した三次元点群データ
仮想現実(VR)技術
VRは専用のヘッドアップマウントディスプレイを用いて仮想空間に入り込む技術です。
建設分野では事故対策教育などで活用されています。
VRを用いて駅空間を再現し案内表示の見やすさを評価する研究を行っています。

車いすを想定した実験

使用したVR空間